H-1Bビザ(専門技術者)
H-1B ビザとは、“専門技術者”として米国 に一時的に滞在する場合を対象としたビザで、延長も含めると合計 6年間の滞在が可能となる(6年を迎える365日以上前に永住権の申請を開始していれば7年目以降の申請が可能)。新規 H-1Bビザ年間上限枠は 65,000件で、更にアメリカ国内にある教育機関で修士号またはそれ以上の学位を取得した外国人に対しては別途 20,000件の年間 H-1B枠が新たに設けられた(2005年 3月 8日より)。専門技術を持つ人が必要とされるアメリカの企業で働く場合で、その人が学士号 (Bachelor's Degree) 以上を持っている、もしくは、その分野での経験実績が、学士号に相当することが適用条件で、その専門学科 (Major) や職務経験が職種と同一のも のでなければならない。一方、移民局には短大卒や高卒の人など職務経験者のためにスリー・フォー・ワンという特別ルールがある。専門分野での 3年の経験が 4年制大学の 1年分に相当するとみなすもので、 4年生の大学を卒業したのと同等に見なされるには短大卒で 6年以上、高卒で 12年以上の専門職での職務経験が必要ということになる(学位および職務経験とも日本のものは有効。ただしそれらを基にして評価機関より評価が必要となる)。同伴家族(配偶者および 21歳未満の子供 )は H-4ビザを取得すれば、 H-1Bビザの所持者と同一期間米国に滞在できる。その場合、就労は認められないが、就学については差し支えはない。
H-1B ビザに当てはまる職種
移民法で定義づけられた専門職 (Specialty Occupation)とは、その専門職と関連した専攻分野において学士号 (Bachelor's Degree) あるいはそれ以上の学位を有するか、またはそれと同等レベルの経験を有する者しか従事できない専門職のことを指す。例えば医者、マーケティング・アナリスト、会計士、財務アナリスト、為替ディーラー、コンピューター・プロフェッショナル、各種マネージャー、その他のスペシャリストなどが該当する。経験が無くても多少の訓練を得て従事出来るような職種は移民法の定義上、専門職とは言えない。
専門職か否かをおおまかに判断する方法は第 1に、そのポジションの職務内容をこなすために、 4年制大学の学士を必要としているか否か、ということである。もし答えがはっきりと“イエス”ならば、それは特殊技能であると認められる。もしも答えがはっきりと“ノー”ならば、そう認められることはない。例えば、ウエイターやウエイトレスの仕事をするためには、 4年制大学を卒業している必要があるだろうか? 一般常識から判断するとその答えははっきりと“ノー”であろう。 (もっとも“ウエイトレス学”という専攻が 4年制大学にあれば話しは別だが…。 ) その職務内容が大学の専攻に無いものならば、おそらくそれは専門職とは言えないであろう。経理の仕事を例にしてみよう。その仕事をするためには学士が必要と言うことが出来る。この場合関連する専攻は会計学や経済学となる。よく“日本語を話せるということは特殊技能では?”と聞かれることがある。これは他の大勢と違った特殊技能であるというには十分ではなく、言語を話せるということだけでは H-1Bビザの意図するところの適切な要素にはなりえない。会計士を例にしてみると、私たちが特殊技能であると判断した場合、その次のステップはその人物がそのポジションに適合するか否かということを判断することになる。
H-1B ビザの条件を満たす人
専門職に従事する為には、
1. 本人が 4年制大学を卒業して学士号を持っている、あるいは大学院を卒業して修士号や博士号を持っている (大学を卒業していない場合、それと同等の経験を持っている )。
2. H-1B ビザで従事しようとしている仕事に大学で学んだ知識が必要である。
基本的には以上の 2つの条件を満たしていなければならない。
前述の通り、「同等の経験」とは移民局が規定している条件にもとづいており、最終学歴が短大卒であれば 6年、高卒であれば 12年の専門職としての職務経験を意味する。例えば経理の仕事では、その人物が会計学の学位、あるいは、経済学などそれに近い、関連のある学位をもっていれば適任と言える。もしその人物が英文学の学位を持っていて、会計士として申請したとしても、移民局はそのポジションに英語の学位が必要だとは判断しないであろう。ただしその人物に会計士としての職務経験があれば、前述のスリー・フォー・ワンルールを適用し、それが同等の経験となれば H-1Bビザの申請が可能になると言うわけである。もちろん教育と職務経験を合わせて、条件を満たすケースもある。たとえばどんな専攻であろうと短大を卒業していていれば、その学歴は一般的に大学の最初の 2年間に必要な必修課目を学んだ期間として解釈される。つまり前述の例で考えると 6年間の会計士の経験があれば、そのポジションで H-1Bビザを申請することができるというわけだ。一般的には、アメリカの大学の専攻科目で 30〜 40単位が専門学科となっているので、 1年間の職務経歴が 10クレジットとみなされる。したがって英文学の学位を持っていても、もし 3年間の会計士としての経験があれば、会計学の学位を持っていると同等にみなされる。
スポンサーが行わなければならない事
H-1B ビザの申請は本人が直接申請するのではなく、スポンサー (米国内でビジネスをしており、米国で税金申告をしている会社や団体、または個人 ) が申請する。スポンサーは、
1. 外国人労働者を受け入れる事によって、 US Worker (アメリカ市民、合法な移住者、正当な難民など ) の雇用条件が不利にならないようにする事。
2. H-1B ビザ取得者に、法律で定められた給与と同額かそれ以上の給与を支払う事の 2つを守らなければならない。
H-1B ビザの有効期限は?
ビザの有効期間は、 3年間でその後 3年まで更新できる。最長 6年の滞在期間が終わり、再度 H-1Bビザで入国するためには、最低 1年間は、米国外で暮らさなければならない。 H-1Bビザはそのスポンサーの下でそのポジションでのみ働く事が出来る。例外は、雇用を元にした永住権を申請 してから 1年以上経っている場合は、 H-1b の 7年目の延長が可能になる。つまり、 H-1b を保持して最後の 6年目が満了しようとする時、その時点ですでに雇用による永住権の申請をしてから 1年以上経っていて、また申請中の場合は、 H-1b の 7年目の延長が可能である。そしてその永住権を申請している間は、 1年ごとの更新ができる。またI-140(永住権第2ステップ)が認可され、永住権最終ステップまでの順番待ちの状態であれば7年目以降でも最長で3年の延長が可能。雇用主が変わる場合においては新たにビザを取り直す必要が有るがこの場合もすべての就労期間の合計は最長6年までとなる。
H-1B ビザ申請の手続き
すべての申請はスポンサーが行う。まずスポンサーが労働局 (Department of Labor) から Labor Condition Application (LCA) という書類の承認を受ける。 LCAを承認してもらうには、法律で定められた金額と同額かそれ以上の給与を払わなければならない。 LCAは専用のウエブサイトで情報を記入し、その場で労働局の認可をもらい、のちに雇用主のサインをもらう。 LCAの承認を受けたら次は移民局への申請を行う。 LCAと申請用紙、さらにビザ受給者の学歴・経験および職務内容が H-1Bビザの必要条件を満たすことを証明する書類を提出する。それと同時に、スポンサーとなる会社は、業務内容や決算報告書、従業員などに関する情報を提出する必要がある。移民局にはカリフォルニア、テキサス、ネブラスカ、バーモントに 4つのサービスセンターがあり、それぞれの会社がある地域を管轄するサービスセンターに申請書が提出されなければならない(格サービスセンターの申請期間はコチラ)。 H-1Bビザが認可された時点で、 F-1ビザなどの他のビザで米国内に滞在している場合は、米国内で H-1Bビザに切り換えることが出来る。その後、米国に滞在している間は問題はないが、一旦国外に出て、ビザスタンプを持っていない状態のままでは再入国は出来ない。在外の米国大使館・領事館で H-1Bビザスタンプを取得してから渡米することになる(現在では、アメリカにすでに在住している者でも郵送で在日アメリカ大使館もしくは領事館にビザ申請をすることは現在では一切できなくなっており、必ず面接を受けなければならない (2002年 9月 1日以降 )。
H-1Bでの転職
H-1B 保持者が転職する場合、必ずしも同じ業界で転職しなければならないといったような規則はなく、あくまでも転職先のポジションに対してそれが専門職であり、申請者が H-1Bビザの条件を満たすかどうか、またスポンサーとなる会社が、ビザ申請者に必要な平均賃金を支払ういことができるかなどの条件を満たす必要があります。また2000年に制定された新法 AC21によって、過去に H-1Bビザを取得したことのある者が、新たな雇用先で H-1Bビザ申請を行う場合、移民局がその申請を正式に受け付ければ、その新たな申請に移民局からの許可が下りるのを待たずに、新職場で就労してよい事になっています。新職場のビザ申請が適切に行われ、かつその申請が不正なものでない限り、許可が降りるか否かに関わらず、移民局が実際にその申請を受け付けた時点から、就労が認められるというわけです。転職先での就労開始日については解釈が様々にありますが翌朝配達の郵便で申請書を提出した場合は、送付翌日から新職場で働くことができると判断することもできるかもしれません。また配達証明書が移民局が入金した小切手(チェック)等が申請の証拠になる場合もあるかもしれません。仮に申請が否認された場合も、申請日から不許可が決定した日までの間の就労は正当なものとして認めらます。
H-1B申請
H-1B 申請費用は 190ドルの申請費用に加え 2004年 12月 8日より最高 1,500ドルの Training Feeといわれる費用が必要となった。これは以前の H-1B申請の際、ほとんどの H-1Bビザ申請企業に課せられていた 1,000ドルの課徴金(米国人労働者の訓練プログラムの援助金用として課せられていた費用)の事実上の復活である。ただしスポンサーとなる申請企業の米国内におけるフルタイムによる従業員が25人以下の場合、申請費用は半額の 750ドルとなる。詐欺行為防止のため 500ドルが各申請毎に必要となった( 2005年 3月 8日より)。その対象は新規 H-1B( Lビザ申請も含む)および米国内にて他の種類のビザから H-1B(または Lビザ)へステータスの変更を行う際に必要となる。ただこの費用はビザ受益者の家族のビザ申請には適用されない。また 4年制大学、大学院等の教育機関、または非営利団体であり、政府関連の調査に加盟している組織はこれら課徴金、詐欺防犯に対する費用は掛からない。また移民局は特急審査サービスを設けており、1,000ドルを移民局へ支払うことにより、移民局へ提出し、正式に受け取られてから2週間以内に結果がでる(質問状の場合もある)。