Sindell Law Offices E-Min Newsletter (Vol. 7) - Japanese Article #31
永住権申請時に必要な労働許可申請審査の変更について
2004年9月29日、米国労働局雇用・訓練局次官補により、2005年度の通称TG(Transition Guidance)と呼ばれる移行指針について発表がありました。今回の発表は、ここ四半世紀にわたり行われてきた労働許可申請審査に対する変更としては最も大きなものとなりました。(注:今回の記事で取り上げている労働許可証とは就労許可書(Work Permit)ではなく雇用認定書(Labor Certification)のことを指します。)
皆さんもご存知かと思いますが、通常移民局に対して雇用ベース(雇用主を通して米国永住権を申請する方法)の永住権申請をするためには、事前に労働局から労働許可証を取得しなければなりませんが、その許可証の申請はまず、州労働局にて審査され、その後連邦労働地方局にて最終審査が行われます。このプロセスにはRIRという当該職種が米国内で人材が不足している職種であることを証明することにより労働許可証の取得が早まる特例措置があり、スポンサー会社は永住権申請直前の6ヶ月間、求人広告による活発な求人活動を行うことで適格な人材がいなかったことを証明しなければなりません。今回の発表により、これまで行われてきたRIR申請の審査過程が著しく変わることとなります。
雇用ベースによる永住権取得に必要な労働局による労働許可申請審査に関し、これまで私たちは、その審査期間の短縮を目的としたPERMプログラム(通常3年程の審査期間が1ヶ月に短縮される)の導入について記事を書いてきました。ただ今回の発表では労働許可証取得のための審査過程の変更については具体的に述べられている一方で、PERMプログラムに関する具体的案は決まっていないことも示唆することができます。
そこで今回の移行指針の内容に関し、鍵となる情報をまとめてみました。
1. 州労働局では最終的なPERMプログラムが今年の終わりまでに公布され、公布後60日以内にその新しいプログラムが開始されるることを想定して作られた計画をもとにトレーニング等が行われ、そのプログラム実行への準備が整いつつある。
2. PERMプログラムが公布されない場合、州労働局は緊急時対策を講じることとなる。その際はまず、これまでの残務を処理するために、Philadelphia及びDallasに設立された中央審査センターへ現在処理中の申請書類を転送することとなる。その中央審査センターはあくまでも一時的に設けられた処理センターであり、労働局はそのすべての残務処理を2年以内で終わらせ、その後は閉鎖することにしている。更にPhiladelphia 及びDallasにて審査される残務ケース以外のすべての審査を行うための審査処理センターをAtlanta及びChicagoに設立する。
3. ほとんどの州労働局職員はPERMプログラムが実施されるにあたり、この先数ヶ月以内に失職することとなる。
4. PERMプログラムが公布される場合、州労働局は今後、労働許可申請の受付を終了することとなる。またPERMプログラムが公布されない場合においても、州労働局による労働許可申請の受付及びその審査は2005年1月1日までとし、それ以降は申請の登録等を行うのみで、申請書類は審査のために、申請者の管轄区に応じて新しく設立されるAtlantaかChicagoへ転送されることとなる。
5. 労働許可申請の審査は、現在残務として遅れている申請書類も含め、それらが元来、全米のどこの地域で申請されたかに関わらず、全ての申請者が公平に審査を受けることができるよう全米をひとまとめとしたFirst-In, First-Out(FIFO)方式により行われる。具体的には来年の初め頃まではワシントンDC、カリフォルニア、ニューヨーク、ニュージャージーのように以前からの多くの残務を抱えている州からの申請を積極的に審査することになる。一方、比較的残務の多くないそれ以外のほとんどの州からの労働許可申請はこのFIFO方式導入により、それら残務処理が終了するまでの1年〜2年もの間、審査が止まってしまうこととなる。このことによりこれまで大変長く審査時間がかかっていた州からの申請はその審査時間が大幅に短縮されることとなる。逆に、これまでその審査期間が比較的短いとされてきた州からの申請はその審査期間が長引くこととなる。
6. PERMプログラムが実行される場合、PERMプログラムのルールを通して再度労働許可申請を行うことができる。